コラム

ペットのためのお盆の過ごし方と供養方法

ペットのためのお盆の過ごし方と供養方法のブログ

大切なペットを亡くされた皆様、お盆が近づくと「あの子も帰ってくるのかな…」「どうやって迎えたらいいんだろう」と、特別な想いを馳せる方も多いのではないでしょうか。ペットもまた、私たちの大切な家族。お盆は、彼らを想い、感謝を伝える特別な機会です。ここでは、ペットのためのお盆の過ごし方と供養方法について、具体的にご紹介します。

ペットのお盆とは

お盆の意味とペットの位置づけ

お盆は、ご先祖様の霊がこの世に戻り、家族と再会する期間です。近年では、「大切な家族」として共に暮らしたペットも、この期間に思いを馳せる飼い主様が増えています。宗教的な厳格な決まりはありませんが、ペットへの愛情と感謝の気持ちを形にすることは、飼い主様の心の整理や癒しにつながる大切な儀式と言えるでしょう。

ペットが帰ってくるという考え方

「ペットの魂もお盆に帰ってくる」という考え方は、飼い主様の深い愛情から生まれる自然な気持ちです。飼い主様の愛情や思いから生まれた、現代ならではの供養の形と言えるでしょう。その想いを形にすることで心が安らぐのであれば、それは立派な供養の形です。「帰ってきてくれる」と信じ、温かく迎え準備を整えること自体が、供養の本質なのです。ご自身が「あの子がそばにいる気がする」と感じるのであれば、それを大切にし、温かく迎えてあげることが何よりの供養になります。

ペットのお盆の供養方法

お盆に必要なペット供養グッズ

  • ペット用精霊馬(しょうりょううま):キュウリで作る馬(早く帰ってきてほしい)
  • 精霊牛(しょうりょううし)、ナスで作る牛(ゆっくり帰ってほしい)のミニチュア版。
    100均のミニ野菜や粘土で手作りしても。
    ペット用精霊馬、ペット用精霊牛
  • ペット用の位牌(いはい)または写真
    ペットの写真を飾るだけでも十分です。小さなフレームや、ペット用のミニ位牌も市販されています。
    ペット用の位牌
  • お膳やお皿
    ペットが好きだったフードやおやつをお供えするための小さなお皿。普段使っていた食器でも良いでしょう。
    ペット用仏具5点
  • 水・お花
  • きれいな水と、ペットが好きだった花や、供養に適した白や黄色の花(菊、百合など)を。
  • ロウソク・お線香
    小さなサイズのロウソクや、ペット用の煙や香りが少なめのお線香もあります。火の取り扱いには十分注意を。
    ペット用ローソク

手作りのお盆用品のアイデア

    • 折り紙で作る小さな提灯。
    • フェルトや布で作るミニ座布団(ペットの寝床をイメージ)。
    • ペットの好きだったオモチャをモチーフにした飾り。
    • ペットの写真をプリントしたペーパーウェイトやコースターをお供え台に。
      手作りの盆提灯

大切なのは手をかけること。縫い目が歪んでも、ハサミの切り口がガタガタでも、その想いが伝わります。

ペット用仏壇とその選び方

選ぶポイント
ご自宅のスペース、ペットのサイズ感に合ったもの、ご自身が「ここならあの子も落ち着ける」と感じるデザインかどうか。
無理に大きなものを選ぶ必要はありません。
個々のスペースや家の雰囲気に合わせた仏壇を選びましょう。スペースに合わせて選びましょう。

  • ミニ仏壇
    コンパクトで置き場所に困らないサイズ。デザインも様々。
    ペット用ミニ仏壇個々のスペースや家の雰囲気に合わせた仏壇を選びましょう
  • 写真立て型仏壇
    写真をメインに飾れるタイプ。シンプルで現代的なお部屋にも合います。
    ペット用仏壇
  • キャビネット型
    中に遺骨や思い出の品を収納できるタイプもあります。
    ペット用仏壇キャビネット型

ペットのお盆の飾り方

盆提灯の種類と選び方

  • ミニ提灯  ペットサイズに合わせた小さな提灯が市販されています。電球式が安全でおすすめ。
    ペット用ミニ提灯
  • キャンドル型LEDライト 火を使わず、温かな光を灯せます。ペットの名前入りも可能な場合が。
    ペット供養 電子ローソク
  • ペットの写真入り提灯 オンラインでオーダーメイドできるサービスもあります。
    ペットの写真入り提灯
  • 選ぶポイント 安全第一(火気注意)、ご自宅の飾るスペースに合ったサイズ、ペットのイメージに合う色やデザイン。白や優しいパステルカラーが一般的です。

お盆飾りの正しい配置方法

厳密な決まりはありませんが、以下のようなイメージを参考に、ご自身がしっくりくる形で飾りましょう。

  1. 後ろ(上段):ペットの写真や位牌を置きます。
  2. 手前(下段): 精霊馬・精霊牛、お供え物(フード、お水、果物など)を置きます。
  3. 左右:盆提灯を飾ります。お花は全体のバランスを見て。
    ペット用お盆飾りの正しい配置方法

大切なのは「心を込めて整えること」です。 厳密な決まりよりも、ペットが喜びそうな、温かい空間を作ることが一番です。

お供え物の選び方

    • ペットが大好きだったフードやおやつ

一番のおすすめです。開封後時間が経ちすぎないように注意。

    • 果物

ぶどう、メロン、スイカなど(ぶどうは犬猫には有害ですが、供え物としては問題ありません)。小さく切って。

    • 野菜

トウモロコシ、ニンジンなどペットが食べられたもの。

    • きれいな水

毎日取り替えましょう。

    • 市販のペット供養用お菓子

お盆シーズンに販売されることも。

    • 避けたほうが良いもの

人間用の濃い味付けのもの、傷みやすいもの、ペットにとって危険な食材(玉ねぎ、チョコレートなど)は避けましょう。

ペットを亡くした後の心のケア

    • ペットロスとは何か

    • 大切なペットを失った時に感じる深い悲しみや喪失感のことです。それは家族を失うのと同じくらい辛い経験です。自分でもその悲しみを抑え込もうとしたりすることで、身体的・精神的に様々な症状(涙が止まらない、無気力、食欲不振、不眠など)が現れることもあります。「ペットだから」と軽く考える人もいますが、その悲しみは自然な感情であり、決して弱さではありません。

 

    • 心の整理をつけるためのアドバイス

    • 悲しみを否定しない

「泣いてはいけない」「早く忘れなきゃ」と思わずに、感じるままに悲しみましょう。

    • 想いを話す・書く

信頼できる友人や家族、同じ経験をした人に話す。日記や手紙に気持ちを綴るのも効果的です。

    • 写真や動画を見る

楽しかった思い出を振り返り、感謝の気持ちを感じる時間を持つ。

    • 供養の儀式を行う

お盆の準備を含め、お墓参り、写真整理、思い出の品をまとめるなど、形にすることで気持ちが整理されることがあります。

    • 新しいペットは焦って迎えない

心の空白を埋めるためにすぐに迎えるのは、ペットにもご自身にも負担になることが。心が落ち着くまで待ちましょう。

    • 専門家に相談する

一人で抱え込まず、ペットロス専門の相談窓口やセラピストに助けを求めることも大切です。日常生活に支障が出るほど悲しみが続く、食欲がない、眠れないなどの症状がある場合は、カウンセラーや心療内科の受診を検討しましょう。

ペット供養を行うための場所

ペットの遺骨を自宅で供養したり、お寺やペット霊園に納めることが一般的になりました。

ペット霊園などペット供養を行っているペットのお盆供養祭は、施設で主に開催されています。
下記にペット霊園や供養施設の活用方法をご紹介します。

ペット霊園や供養施設の活用方法

    • 永代供養墓

お墓を建立し、長年にわたり供養してもらえます。お盆には墓参りができます。樹木葬を選ぶ施設も。

    • 納骨堂

室内に遺骨を安置します。冷暖房完備で、天候を気にせずお参りできます。

定期的な供養を霊園に任せることができます。お盆の時期も施設で丁重に供養してもらえます。

    • 合同供養墓

多くのペットと一緒に眠るお墓。個人墓より費用が抑えられる場合が多いです。

    • 活用方法

お盆の時期には、施設でお盆法要や灯籠流しなどの行事が行われることがあります。参加することで、同じ想いを抱える方々と共に供養できます。

事前に施設のスケジュールを確認しましょう。

合同供養の意義と参加方法

意義

    •  一人ではないという実感

同じペットロスを経験した仲間と共に供養することで、孤独感が和らぎます。

    • 専門家による供養

僧侶による読経など、個人では難しい正式な供養を受けられます。

    • 手を合わせる場の提供

自宅で供養する場がない方も、手を合わせる場所が確保できます。

    • 供養の継続性

施設が管理するため、長期的な供養が約束されます。

参加方法

    1. お問い合わせ:お近くのペット霊園、火葬施設、動物病院などで合同供養(永代供養、合祀供養)を行っているか確認します。
    2. 説明を受ける:供養の方法(遺骨の一部を納める全骨納めか、名前だけを登録する芳名板かなど)、費用、供養期間などを詳しく聞きましょう。
    3. 申し込み: 納得した上で契約手続きを行います。必要な書類(火葬証明書など)を確認します。
    4. 供養の実施: 遺骨の引渡しや芳名の登録を行います。
    5. お参り: 施設が定めるお参り方法(自由参拝、特定の法要日など)に従ってお参りします。お盆の法要にはぜひご参加ください。

まとめ

お盆は、遠い存在になってしまった大切なペットと、心でつながる時。ご紹介した方法はあくまで一例です。ご自身とペットにとって一番しっくりくる形で、温かい気持ちでお迎えし、感謝を伝えてあげてください。形にとらわれすぎず、「あの子が喜んでくれるかな」「寂しがっていないかな」など「想いを伝える」という気持ちを大切にすることが、何よりの供養になります。。手作りの小さな飾り、大好きだったフード、そっと灯す明かり… その一つひとつが、「会いたかったよ」「ありがとう」のメッセージとなって、ペットのもとにきっと届くはずです。
もしお盆の準備や供養の方法、ペットロスのお悩みなどでわからないことがあれば、お気軽に当社「道しるべ熊本」までご相談ください。
大切なご家族の一員であったペットのための、心に寄り添うお手伝いをさせていただきます。
「道しるべ熊本」 は、いつでも皆様とその大切なペットの想い出を、心を込めてお支えします。
お盆の期間、どうかお盆の間、温かい日々が続きますように。

監修:一般社団法人日本動物葬儀霊園協会「動物葬祭ディレクター 2級資格」、JADP認定「ペット終活アドバイザー」ペット訪問火葬 道しるべ熊本 橋本